突然の訃報。家族など故人にとって身近な人であればあるほど、悲しんでばかりはいられないのが現実です。
その涙も乾かないうちに、様々な手続きが必要となります。
それも数時間から数日という短期間です。なかなか人に聞けないことだからこそ戸惑います。
お葬式って費用はどれくらい?
そもそも何から決めればいいの?
結論として、【主に葬儀は6種類あり、費用は10万円ほどから数百万円】です。
費用に関しては、葬儀の規模や種類によってかなりの開きがあります。
ご遺族にとっても「精一杯おくり出すため」と思えるお葬式にできるよう、葬儀の種類や費用について丁寧に解説します。
損をしない葬儀社選びとは
葬儀社選びは1社一任はおすすめしません。
なぜなら、葬儀社に足元を見られ、知らずに数十万円も損している可能性があるからです。
厳粛でおごそかに執り行うお葬式であっても商売であることは忘れてはいけません。
そもそも葬儀費用のうちわけとは?
一般的に葬儀費用と言えば、次の3つの内容を含めたこと指します。
葬儀費用のうちわけ
- 葬儀本体費用
- 寺院費用
- 飲食接待費用
葬儀本体費用
遺影や祭壇を始めとする葬儀に必要なもの一切が含まれるお金
寺院費用
先祖代々のお墓がある菩提寺のお坊さんへの読経料や戒名料など
飲食接待費用
参列者への感謝の気持ちをふるまう飲食にかかるお金
特に覚える費用はありません。さっと把握するほどで十分です。
葬儀の何種類?かかる費用はいくら?
葬儀の種類
- 社葬
- 一般葬
- 密葬
- 家族葬
- 一日葬
- 直葬
上記でご紹介した葬儀以外にも、故人の趣味を取り入れた音楽葬のような新しい葬儀形式、信仰に基づく宗教葬など故人を送る形は多種多様となっています。
どのような葬儀をおこなうかは「どれだけの人に知らせて執り行うか」によって分かれてきます。
葬儀費用相場は全国平均で195.7万円(日本消費者協会「葬儀についてのアンケート調査」より2017年度全国平均。内閣府消費者契約法専門調査会資料より)というデータもあります。
社葬・合同葬 相場:200万円~
故人が所属した企業や団体が「運営委員会」となって取り仕切る葬儀です。
故人に関わる人々や、所属企業・団体に関わった方たちも弔問客として訪れるので、比較的規模が大きくなります。
喪主とは別に運営委員会が設置され、運営委員長とが主体となり、費用は企業または団体がもちます。
故人がその企業または団体に大きく貢献した場合に執り行われることが多いです。
有名芸能人などが亡くなった際に催される、お別れ会などもこれに含まれます。
一般葬 相場:90~100万円
現在も多くの方が選択される最も一般的なお葬式です。
通夜・告別式を行い、遺族親族が集まり、故人にゆかりのあった方々が弔問に訪れます。
故人の在りし日の縁や絆を重視した、日本では比較的伝統的な葬儀です。
家族葬のように参列者を親族などに限定せず、故人や遺族と親交のある方、会社関係者や住まいがご近所の方などにも広くお知らせします。
遺族がホスト側となり弔問客をもてなししますが、葬儀社のスタッフに接客を任せることもあります。
参列者・規模ともに、家族葬より大きくなります。
密葬 相場:10~20万円
本来、遺族・親族を中心に故人をよく知る人だけが内々に集い、広く告知することなく密やかに行う葬儀のことを指します。
家族葬と似ていますが、家族葬がごく身内の小規模であるの対し、密葬は規模は問わず数百人が訪れることもあります。
芸能人や著名人など、社会的に名声のある人物の葬儀の場合、訃報が広く世間に知られて一般の弔問が増えることがあります。
訃報を公にせず(または後日明らかにする)故人や遺族の意向で伝えられた人たちのみでお見送りをする葬儀が密葬です。
しかし、ケースにより荼毘に付された後に「本葬」と呼ばれる規模の大きな葬儀やお別れ会を改めて執り行う場合もあります。(費用相場はこれを含んでいません。)
家族葬 相場:50~60万円
一般の弔問をお断りし、遺族やごく近しい身内だけで執り行う葬儀です。
本来は家族のみで行う葬儀という意味ですが、昨今では生前に親戚やごく親しい方なども加えた小規模・少人数で営む葬儀を指すことが多くなってきました。
葬儀社によって基準が異なりますが、一般的には参列者が20~30名以下の場合となることが多いようです。
一日葬 相場:40~50万円
一日葬は親族を始めとする近親者にお集まりいただき、通夜法要は行わずに1日で告別式と火葬を済ませる新しい葬儀形式です。
葬儀は通常、前日に通夜法要をし、翌日に葬式・告別式と2日にわたって行われます。
葬儀前夜の弔問客への対応もないため、遺族や身内ののみで故人とゆっくりお別れしたいという方が選択されることが多いようです。
直葬・火葬式 相場:10万~15万円
通夜や告別式は行わず、直接火葬場へ向かう葬儀です。
病院や自宅、もしくはいったん葬儀社の会場で安置するなど、ご遺族の希望によって変わります。
死後24時間は火葬できないので、安置する時間が必ず必要になります。
火葬場へは霊柩車ではなく寝台車で向かいます。
最も簡素な葬儀となり、最後のお別れは火葬炉の前で10分程度ということもあります。
そのほかの費用について
ご紹介した葬儀の費用に加え、故人の信仰した宗教・宗派によって聖職者をお呼びする場合、お布施等がかかる場合があることも考慮されるとよいでしょう。
必ず聖職者を呼ばなくてはいけないというわけではなく、故人や遺族の意向で無宗教葬を選択される方もいます。
その場合は聖職者に対するお布施費用はかかりません。
また宗教・宗派などによってお布施の額は大きく変わります。
弔問客が持参する香典については、後日の香典返しを省くためなどで、香典そのものを辞退するというお葬式も増えています。
その分葬儀の規模も質素になることが多いようです。
葬祭費・埋葬料の補助金について
故人が加入していた健康保険組合(国民健康保険含む)・故人の年齢によって、補助金が出る場合があります。
受給するためには
✅申請が必要
✅申請してもすぐには補助金はもらえない
高額過ぎる葬儀費用には要注意
一昔前までは一般的な「お葬式」と言えば通夜法要~葬儀まで全てを自宅で行うものでした。
しかし、核家族化や住宅事情などもあり、ほとんどの方が葬儀社や自治体の施設を利用して行うように変化してきました。
それに伴って様々な葬儀社やサービスが現れ、その分、費用などに関するトラブルも増えています。
国民生活センターによると、葬儀のサービスに関する相談が増化し続けています。
特に「高価格・料金」についての相談が多くなっています(国民生活センター「各種相談の件数や傾向」墓・サービスより)
もともと日本人はお金にまつわることを大っぴらに口にすることを嫌う傾向があり、まして人の死に際して幾らの出費があるか気にするなんて…と思ってしまう方も多いのではないでしょうか。
そしてそこに付け込んで不要なサービスの押し付けや、高額な請求を突き付ける悪徳な業者も存在するのが悲しいところです。
一方で、悪徳ではなくても、こんなはずではなかった。。これは別料金?など、業者との確認不足によるクレームや不満が出てしまうことも。
人生の締め目くくりに「安心できる葬儀を」
一般的なご家庭であれば、一般葬・家族葬が多いかと思います。
そうであれば、数十万から100万円以上、場合によっては300万円ぐらいまでとなります。
まずは「どういった方たちと最後のお別れをしたいのか」と考えると、費用についても目安が見えてきます。
または葬儀社のプランナーにまず予算を伝え、どのぐらいの規模になるかという相談をするのもよいでしょう。
お葬式費用の多寡については、故人、ご遺族の意志でお決めになるのが理想です。
無理に見栄を張ったり、過度に質素にしなくてはいけないという決まりはありません。
突然の悲しみの中、たくさんのことを決めなくてはいけないという重責もあるかと思います。
とはいえ、言われるままに必要のないオプションをつけてしまった……逆に、こうしたかったのできなかった……となってしまうのをできるだけ避けるようしましょう。
生前の故人との思い出を振り返り、その人柄に寄り添って、形よりも心のこもった式にできれば、これ以上のはなむけはありません。