今回は遺影の準備をするにあたって、どのような方法があるかということと写真の選び方について解説していきます。
遺影ってどんな写真を用意すればいい?
遺影ってそもそもどのようなものを指すのでしょうか。
葬儀においてよく用いられるのは、4つ切りサイズに引き伸ばされた故人の写った写真です。
その他肖像画も遺影の1つとして扱われます。
ひと昔前までの遺影といえば、重厚な黒いふちの額に入れられた、着物をまとった故人のモノクロ写真がほとんどでした。
しかし当然子どもが怖がりますし、必要以上に故人の存在を重く感じさせることから、最近ではこのようなスタイルの遺影は減りつつあります。
ではどのような遺影が増えているかというと、モノクロから一転してカラー、故人の笑顔が見られる明るい印象のものです。
額の色も黒に限らず、白・ピンクなど自由に選ばれるようになりました。他のひとやものまで写り込んだスナップ写真はさすがに飾られることはありませんが、遺族が毎日見ても重く感じない”幸せ”を感じられる写真が好まれます。
子ども達にも「このにっこり笑った人があなたのおじいちゃん・おばあちゃんだよ。」と教えてあげやすいですよね。
このような写真の準備がはじめからできているのが理想的ですが、急な葬儀だったり撮影を好まない方だったりすると、いざ葬儀を行うにしても飾る写真がない!とご遺族が慌てることになりかねません。
でも安心してくださいね。
手持ちの写真を利用して、服装・背景を加工したり、トリミングを行ったりするサービスが今の時代は充実しているのです!
ご遺族が手配しなくても、葬儀会社の連携業者によってあらかじめ持参した写真を加工して遺影に向いた写真作りを行ってくれます。
もちろんどんな写真でも遺影用に加工できるわけではありません。
半身しか写っていなかったりだとか、あまりにも小さく写っていたりだとかいう写真は不向きです。
また怒っている表情を笑い顔にするといった加工もできなくはないのですが、より自然な遺影として完成させるためにも、特に表情には気を使って自然な笑顔の見られる写真を用意されたほうがいいと思います。
一律料金を定めている業者が大半ですが、加工具合によって追加料金がかかる可能性もあるということは念頭に置いておきましょう。
一に笑顔、二にポーズ、三に大きさといったところです。
運転免許などの写真は故人一人が正面を向いて写った写真とはいえ、表情の硬い場合が多くあると思いますので、もっと自然な表情の写真を探してみましょう。
故人が写っている写真はどのくらい前のものが良い?
これから先歳を重ねることはなく、遺影が最期の故人の姿であることを考えると、少しでも亡くなる直前の写真のほうがいいかもしれません。
でもこれは個々の条件によりけりで、長く病気に伏せられていたような場合であれば、数年前の写真であったとしてもイキイキとした様子が見られる写真を用意したほうがいいと思います。
表情の硬い写真が続いているようであれば、もう思いきって「おばあちゃんは昔、べっぴんさんだったのよ。」ととびきり良い写真を用意するのもありなのではないでしょうか。
家族の中では苦笑いしてしまうような写真であっても、故人の立場から考えれば少しでも素敵な写真のほうが飾られていて嬉しいかもしれません。
こういうときは形式にとらわれず、ご本人がどのような遺影を飾ってほしいかという観点から写真を選ぶことがおすすめです。。
遺影用写真の準備
ご遺族または故人が生前に、自分で遺影を作るという方法があります。
業者依頼の遺影作りに比べるとかなりのコストダウンにつながるので、十分な余裕をもって前向きな気持ちで取り組むことができるのなら、自分で加工・修正していくのも決して悪くない選択肢かと思います。
インターネットで探せば遺影作りのためのソフトも見つかるので、そちらを利用すれば写真加工もそう難しくはありません。
しかし、この方法は時間と気持ちにゆとりのあるときのみの選択肢と考えるほうがよいでしょう。というのも、いくらコストダウンになるとはいえ、故人の亡くなった直後に遺影を自分でこしらえようとしても、亡くなられたことによるショックでそれどころではないかもしれないからです。
また昔ほどではなくなったと言われていても、葬儀がはじまるとやはり忙しい日々が続き、悲しみと同じくらい疲れを感じるものです。
亡くなられる前から遺影を意識できているなら、自分で作るのは良い方法だと思います。
しかし突然の葬儀を迎えられた場合は、潔く業者の加工に任せましょう。
少しでも故人を見送ることに気持ちを専念したいところです。
写真の加工・修正をする方法を中心に提案してきましたが、なによりも故人に終活に取り組んでいただくことがベストな方法です。というのも、ご本人が一番納得のいく遺影を用意することができるからです。
それに加えて、ご遺族の負担が大きく軽減できます。
ご本人が意識して積極的に取り組んでもらえれば遺族としてはありがたいですが、そうでない場合もあるかと思います。
ご家族からご本人へ終活の提案は、非常に言いづらいものと考えられるかもしれませんが、ご本人にとって決して悪いことではないのです。
今の時代終活への意識が高まっており、先行するイメージよりずっと晴れ晴れしいもので、終活の後はきっと笑顔で帰ってこられることと思います。
イベントとして終活を行っている地域もありますので、一度体験してみられるのもいいのではないでしょうか。
遺影写真の選び方のまとめ
今回は遺影の準備方法についてまとめました。
ご両親の老いを感じると、つい今後のことを考えてしまう瞬間ってありますよね。
縁起でもない!と考えるのをやめてしまうのは、実はもったいないことなんです。
どのようなことが起こりうるかいろいろと想像してみましょう。急な葬儀・喪主の役割・遺影の準備・・・やらなければいけないことが山ほどあるはずです。
できるならば、故人が元気に過ごしているうちに気持ちの良い笑顔の写真を撮り収めてあげたいところです。
それができなかったとしても慌てることはありません。
ご遺族の負担を少しでも軽減し、葬儀に集中できる体制が葬儀会社のほうで整っているので、そちらに任せてしまいましょう。
写真を選ぶのは、ご遺族の役割です。
この先あなたが見て、その遺影の故人に笑いかけられるような素敵な表情のものを選ぶよう心がけてくださいね。きっと天国から見てくれていますから。