大切な方、近しい方の旅立ちに際し、予算に応じて心残りのない葬儀にしたい。
故人のためも恥ずかしくないお別れをと考え、「おくりびとのお葬式」での葬儀を候補としている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
結論として、おくりびとのお葬式は「故人の状態のケアを重視し、独自の形式にこだわった葬儀を希望される方にはおすすめ」です。
とはいえ、必ず他社とも比較をおこなってください。
なぜなら、葬儀社に足元を見られ、知らずに数十万円も損している可能性があるからです。
厳粛でおごそかに執り行うお葬式であっても商売であることは忘れてはいけません。
では、事実をもとに詳しく解説していきます。
「おくりびとのお葬式」とは
「おくりびとのお葬式」は2015年に創業した葬儀会社です。
会社代表の地元である北海道を皮切りに愛知、静岡、東京に自社斎場が9ヶ所あり、その他にもいくつかの提携斎場があります。
特筆すべき点は‟認定納棺師“と言われる民間資格を有するスタッフが葬儀を取り仕切り、ご遺体のケアを重要視した故人中心の、故人のための、葬儀を執り行うというもの。
お別れは綺麗な顔で
昨今では、病院での亡くなられる方が半数を超えます。
よって看護師がエンバーミング、いわゆる死後のケアまでもしてくれるというケースが多くなってきていますが、あくまでも医療行為としての最低限の対応が基本です。
しかし、永い闘病の末に亡くなった近しい人の面影を「元気だったころのような綺麗なものにしてあげたい」、「最期のお別れをしに参列される知人に、綺麗なお顔を見せてあげたい」という方もいるでしょう。
「おくりびとのお葬式」は、しっかりとした知識を持った納棺師が、故人のケアから葬儀の相談まで全てを担う葬儀社として、葬儀や告別式を行うだけの他社とは違い、メディアでも話題になっています。
おくりびとのお葬式の特徴
おくりびとのお葬式の特徴
- 代表の父は映画「おくりびと」の技術指導者
- シンプルな直葬でも、ご遺体のケアを最優先に
- 形式にこだわらず、自由な形の送り方を選べる
代表の父は映画「おくりびと」の技術指導者
「おくりびとのお葬式」を営む会社代表は、お父さんが納棺師の仕事をされており、まさに納棺師という仕事が世に知れることとなった映画の、主演俳優の技術指導をされていた方です。
身近でご遺体の体を清め、お着せ替えをすると同時に、フューネラルメイク(死化粧)を施し納棺するという所作を学び、2013年に日本初の納棺師養成学校を設立し、その後におくりびとのお葬式のサービスを開始しました。
シンプルな直葬でも、ご遺体のケアを最優先に
お迎えから火葬まで、ご遺体の初期処置、カルテ作成、納棺の儀、化粧直し、の4つの基本サービスを含み、最低限の価格・内容でもしっかりとケアを怠らない、おくりびとのお葬式の基本プランです。
通夜や告別式といった葬送儀礼おこなわない、いわゆる直葬や火葬式のようなシンプルなものでも一般的な形式とは異なり、納棺士が常駐し、きめ細やかなサービスを提供することで、ご遺体の特有の症状への処置を最優先にしてくれます。
形式にこだわらず、自由な形の送り方を選べる
例えば、参列される方へのおもてなしとして、食事はビュッフェスタイルで用意したい、故人はおしゃれが好きだったから、ネイルアートを施して、ヘアメイクにもこだわりたい…など、オーダーメイドに対応した葬儀を行う事も可能です。
しかし、料金は全て別途加算となりますので、事前にきちんと見積りをしなければ高額になってしまうこともあるかも知れません。
おくりびとのお葬式の料金
おくりびとのお葬式の料金は適正なのでしょうか。同等のプランで、大手葬儀社ティアと比較します。
おくりびとのお葬式 511,800円~555,800円
葬儀会館ティア 625,644円~669,492円
≪条件 一般葬、参列者目安:~100名程度(お通夜・告別式から火葬まで)≫
例として「葬儀会館ティア」の一般葬で単純に価格のみで比較して見ると、おくりびとのお葬式は格安に見えます。
とはいえ、サービス内容には差があります。
おくりびとのお葬式との葬儀プラン比較
輸送・安置〜依頼まで
含まれるサービス内容 | おくりびとのお葬式 | 葬儀会館ティア |
寝台車※1 | 最長50kmまで | 最長50kmまで |
安置場所 | 4日まで | 4日まで |
枕飾り | プランに含む | 白木枕飾り一式 |
線香・ローソクなど | 葬儀に必要なものすべてプランに含む | 必要なモノ全て用意してくれる |
ドライアイス※3 | 4日まで | 4日まで |
防水シーツ | 含む | なし |
※1 「寝台車」の距離は次の区間から算出【車庫(車両の出発地)→ご遺体のある施設(病院など)→安置場所】
通夜・告別式
サービス内容 | おくりびとのお葬式 | 葬儀会館ティア |
遺影写真 | プランに含まれる | カラー(四つ切・ キャビネサイズ)計2枚※2 |
位牌・野位牌 | プランに含まれる | 白木位牌 |
お別れの花・枕花 | 生花祭壇には花を利用 | プラン内に含む |
式場使用料 | 25,000円まで | 50,000円まで |
祭壇用供物 | 含む | 含む |
運営スタッフ | 担当1名/スタッフ4名 | 担当1名/スタッフ4名 |
通夜・告別式➁
含まれるサービス内容 | おくりびとのお葬式 | 葬儀会館ティア |
お別れの儀式 | プランに含まれる | プランに含まれる |
会葬礼状 | 参列者人数分(一般葬100枚まで) | 参列者人数分(一般葬100枚まで) |
焼香設備 | プランに含む | プランに含む |
司会進行 | 2日間 | 2日間 |
受付事務用品 | 参列者人数分(一般葬100枚まで) | 参列者人数分(一般葬100枚まで) |
案内看板 | なし | なし |
火葬・法要
含まれるサービス内容 | おくりびとのお葬式 | 葬儀会館ティア |
霊柩車(※1) | 30kmまで | 30kmまで |
後飾り祭壇 | 地域のしきたりに合わせて用意 | 地域のしきたりに合わせて用意 |
火葬場利用料 | 10,000円まで | 都内:82,220円 埼玉:10,000円まで |
納骨器・骨壷 | 一般的な白色骨壷や骨箱 | 一般的な白色骨壷や骨箱 |
※1 「霊柩車」項目の距離は次の区間から算出【車庫(車両の出発地)→安置場所→火葬場】
おくりびとのお葬式とティアの違い
基本プランで詳細を比較すると、違いは以下。
・おくりびとのお葬式は防水シーツ、祭壇用供物が基本プランに含まれますが、葬儀会館ティアには含まれません。
・おくりびとのお葬式は遺影写真、焼香設備、後飾り祭壇などほとんどの項目がプラン内サービスとして提供されますが、葬儀会館ティアではどの程度のものを用意されるのか、明確にされていません。
実際の見積りや資料請求の段階で詳細を確認しなければ、不足感があって追加しなければならない自体になるかも知れません。
教えてくれない葬儀社を比較するワケ
毎年、消費者庁が管轄する国民生活センターに葬儀費用に関する相談が寄せられていることをご存知ですか?
【国民生活センターへの葬儀に関する相談事例(2015年)】
・父が急死し、慌てて選んだ葬儀社から希望とは異なる契約を強く勧められた。
・葬儀の見積書がもらえず、請求も高額だと思う。
・追加サービスを了承したら請求額が高額である。
以上はほんの一例です。
葬儀社に20年勤めたプロとしてもはっきりお伝えしますが、1社だけで葬儀社を決めるようなことはしてはなりません。
葬儀屋ぼったくり
親父の一周忌お願いした葬儀屋のベ○コから見積もりよりも何万も高い請求が来る連絡あり。
応対したお袋からそれを聞いて俺は「ハァ⁉︎」
見積もり持ってきた時「この金額内て収まります」って言ったのに!
金曜日担当者来るから文句言ってやるわ!💢— すすむ (@codino_divin) March 20, 2019
今週水曜日、父が亡くなりました。93歳、老衰。幸せな人生だったはず、と穏やかに見送りました。
しかし、それにしても葬儀は理不尽。使い回すであろう祭壇の価格が40万!祭壇を飾る花が16万!精進落としのあの折詰料理が7000円!ぼったくりの世界でした。— ルンバーバ (@2088toyume) March 3, 2019
お悔やみのときといえど、しっかり葬儀社を比較しなければ足元をとられます。
だからこそ、国は未然に葬儀費用に関するトラブルを防止するために上記のように呼びかけ続けています。
葬儀屋によって数万円~数十万円もの料金が違うのはザラです。
相応しい葬儀社選びをかんたんにしっかり比べるなら無料で利用できる葬儀社比較サービスが優秀です。
つまり、葬儀屋選びに探し回らなくても、相応しい葬儀屋をかんたんに複数見つけて、比べることができます。
葬儀に参列したことがあっても、葬儀を執り行うのははじめてでわからなくて当然です。
とはいえ、なんでも葬儀屋任せは損をしてしまいます。
自分でしっかり比べて確かめることが、「葬儀屋選びの鍵」です。
葬儀屋選びに限った話ではありませんが、そもそも葬儀屋同士を比べなければ妥当な判断はできません。
おくりびとのお葬式の悪いと良い
デメリット
- パック内の式場使用料が最大25,000円と他社よりも低いため、会場によっては追加料金が発生してしまう
- ホームページ上ではオプション内容詳細、価格がわからない(追加料金を確認する必要がある)
メリット
- 知識豊富な専任技術者が故人のケアを最優先に行ってくれる。
- 「おくりびと25」250,000円という破格の定額パック料金を提示し、必要最低限の内容であれば格安で葬儀が可能。
おくりびとのお葬式の総評
おくりびとのお葬式は、故人への特別なケアを中心に考え、比較的自由な方法で葬儀をおこないたいという方に向いています。
映画おくりびとの世界観をそのままに、お別れの儀式を行うことができるプランもあり、亡くなられたご家族としっかり向き合ってお別れしたい方には心癒される葬儀が出来ます。
形式にとらわれない葬儀を提供することをモットーにしており、宗教やスタイルにこだわらず、ゆっくりと小規模で見送りたいというご家族にもおすすめできます。
ただし、別途料金が発生することもあるので、お葬式費用を最低限に抑えたい方には注意が必要です。
なぜなら、厳粛でおごそかに執り行うお葬式であっても商売であることは忘れてはいけません。
足下をとられるまえに、対応できるいくつかの葬儀社でしっかり比べて検討することが最良です。